貴船神社
貴船神社は貴船山と鞍馬山に挟まれた、森林鬱蒼とする山峡に鎮座している。社前には賀茂川の上流に位置する貴船川が流れており、京の市中を潤す鴨川の源流とも思われてきました。水神である高龗神を祀り、古代の祈雨八十五座の一座とされるなど、古くから祈雨の神として信仰されてきました。水の神様として、全国の料理・調理業や水を取扱う商売の人々から信仰を集めています。
古来より歴代天皇は干ばつの時には黒馬を、長雨には白馬を奉納して祈願をしていたといい、後に生きた馬に替えて、馬形の板に着色した「板立馬」を奉納したと伝えられる。これが現在の絵馬の原形となったため、貴船神社が「絵馬発祥の社」といわれています。さらに木または紙に描かれた馬の絵によって代用されるようになり、江戸時代に入って個人が小型の絵馬を神社に奉納する習慣が広くする流行するようになりました。
また、縁結びの神としての信仰もあり、小説や漫画の陰陽師による人気もあり、若いカップルで賑わっています。その一方で縁切りの神、呪咀神としても信仰されており、丑の刻参りでも有名である。ただし「丑の年の丑の月の丑の日の丑の刻」に貴船明神が貴船山に降臨したとの由緒から、丑の刻に参拝して願いを掛けることは心願成就の方法であり、呪咀が本来の意味ではありません。平安時代には、丑の刻であるかは不明ですが貴船神社に夜に参拝することが行われていました。時代の変遷と共に、本来の意味が変質したものと思われます。境内から湧き出る神水は京都の水脈の源流から流れるものです。
また、付近は京都でも有名な紅葉の名所のひとつであります。