その6  
上賀茂神社
   上賀茂神社の祭神は賀茂別雷神(かもわけいかづちのかみ)という神で、この神社の正式名称は”賀茂別雷神社”と言います。(因みに下鴨神社には”別雷神”の祖父”賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)と母上である玉依媛命(たまよりひめのみこと)が祀られています。その歴史は古く、創建は678年、1300年以上の歴史を持つ日本最古の神社の一つです。京都には”上賀茂神社(賀茂別雷神社)”と”下鴨神社(賀茂御祖神社)”という名前が似ている2つの世界遺産の神社があります。この2社は元々は賀茂氏の氏神を祀る”賀茂社”と言う一つの神社でした。しかし、神社や氏子の持つ力が大きくなり過ぎたため、文武天皇の時代に南北2つの神社に分割されました。こうして賀茂社が南北に分割されたことで、北の神社を”上賀茂神社”、南の神社を”下鴨神社”と呼ぶようになり、今日に至っております。この2つの神社はどちらかの方が格式が高い、といった序列のようなものは一切ありません。また、神社の名前をよく見てみると上賀茂神社、下鴨神社と使われている漢字が違うことが分かります。元々はどちらの神社も「鴨」でしたが、西暦726年ごろ、北の神社の方に縁起の良い言葉である「賀茂」という文字をあてて、2つの神社を区別したと言われています。因みに、京都の中心を流れている「かもがわ」は上賀茂神社までの川を「賀茂川」、下鴨神社からの川を「鴨川」と表記するようになったそうです。 

 細殿(ほそどの)
 細殿は、天皇や上皇が社殿参拝の前に装束などを整えるための御殿です。この細殿の前にあるのが円錐型に整えられた一対の盛り砂。「立砂(たてずな)」と呼ばれるこの盛り砂は、賀茂別雷神が降臨したと伝えられる本殿の背後に位置する「神山(こうやま)」を模したものです。立砂の頂には神様が降臨する際の目印に松葉が立てられています。そして、この円錐形の立砂は「清めの砂」の起源となったものです。参拝者はこの「清めのお砂」(立砂)が戴いて帰ることができます(有料)。この上賀茂神社の「清めのお砂」は住居の厄除けや浄化に絶大な効果があると信仰する人が多いと言われています 上賀茂神社は平安京以前の京の都、長岡京の北東(鬼門方位)に位置しており、鬼門の方角から来る厄災から都を守る役割を担っていたと信じられています。風水ではよく、住居や敷地内の浄化に「盛り塩」を推奨していますが、神聖さが感じられる賀茂雷神社の「清めのお砂」は家の鬼門方位や玄関、庭などに置いてみると効果が現れると言われております。
橋殿(はしどの):御手洗川の上に建てられた殿舎。勅使参詣の際に御拝した所。

土舎(舞殿)[つちのや] :古くは神主をはじめとする神職の着到殿として用いられていた。現在は、祓を行う場としても用いられている。
庁屋:上賀茂神社に受け継がれる数々の神宝が所蔵されています。
外幣殿(御所屋):法皇、上皇等の御幸摂関賀茂詣の歳の著到殿又競馬会神事の使用する馬場殿とも称する。