相模国分寺・国分尼寺とその界隈
 海老名中央公園 と 七重塔モニュメント
   海老名中央公園は海老名ショッピング街エビナウォークの真ん中にある公園です。年間を通して様々なイベントが開催され、特に冬期のウィンターイルミネーションは、人気があり、近郷から多くの人々がやって来ます。公園の一角には、相模国分寺にあったとされる七重塔を模して、実物の三分の一のスケールで建造されたモニュメントがあります。
国分寺
  国分寺は、天平13年(741)の所謂「国分寺建立の詔勅」によって創建された相模国分寺の法灯を継いでいる屈指の古刹で、のちに真言宗の寺院となり東光山醫王院国分寺となりました。本尊は薬師三尊像で脇侍に日光菩薩、月光菩薩を備えており、眷属に木造十二神将立像立像を配置しています。
相模国分寺跡
   国分寺・国分尼寺は、奈良時代に聖武天皇が全国の国ごとに建てさせた寺院です。当時、日照り・地震等の天災や飢饉、伝染病天然痘、貴族・豪族の反乱などに人々は苦しめられていました。これを仏教の力で、国家が安らかに治まるようにと、天平13年(741)聖武天皇は詔勅を発令して国分寺・国分尼寺を建てさせました。国分寺は僧寺、国分尼寺は尼寺で、それぞれ正式な名称は「金光明四天王護国之寺」国分尼寺は「法華滅罪之寺」と言い、大和国の東大寺法華寺が「総国分寺」、「総国分尼寺」とされました。国分寺の僧は20名、国分尼寺の尼僧は10名と定められ、国分寺は全国に68ヶ所、建立されました。詔勅では、建設場所として「人家遠からず、近からず、良い場所を選ばなければならない」と規定され、相模国では、海老名が相模国分寺建設地に選ばれました。相模国分寺の大きさは、全国の中でも大きな規模で、発掘調査により東西240m南北300m 以上という広大な寺域であったことが分かっています。たび重なる天災や戦乱でいつの間にか消失してしまい、現在は、礎石が残るのみとなっております。
 逆川
逆川は平安時代以前に作られたとされる人工水路川です。杉本小学校付近から目久尻川の水を取り入れ、伊勢山の南側を回って国分寺の東側を流れ、国分尼寺跡西側の小谷戸から海老名耕地に注いでいました。国分付近では南から北へ、目久尻川流域でも低地である南から台地上の北へ流れていることから「逆川」と呼ばれています。昭和40年代までは水が流れていましたが、次第に埋め立てられ、現在は一部の地形にしか、その面影を見ることが出来ません。発掘調査によると、平安時代以前に作られ、船着場と推定される遺構が確認できたことから、運河のような役割もあったと推定されています。
国分尼寺
弥生神社
 弥生神社弥生神社は、明治42年(1909)国分の八幡社、上今泉の比良神社、柏ケ谷の第六天之宮、望地の大綱神社の四社が合祀して造られました。
龍峰寺
  龍峰寺は室町時代南北朝期に圓光大照大師によって創建されたと言われています。本尊は江戸期に造立された木造釈迦如来坐像で、脇侍には迦葉阿難尊者立像、圓光大照大師木造などが安置されています。境内図には、観音堂、仁王門を配置し、観音堂には旧清水寺の本尊であった木造千手観音立像が安置されています。この千手観音立像は鎌倉期に造立されたと言われ、榧の一木造りで像高195cmもあります。
 総持院
有鹿神社
  有鹿神社は由緒によると、鎌倉時代に正一位の叙位を賜り、この時期の社殿は豪奢であり、有鹿神社の別当寺である総持院と合わせ、十二の坊舎が甍を並べ、現在より広大な境内を誇っていたとされる。一説には現在の社家駅近辺まで参道が延びるほどであった。これは平安中期より頭角を現した海老名氏という鎌倉幕府の重鎮の手厚い庇護があった為である。海老名氏は村上源氏の流れを汲む豪族出身の武士団で、相模国の中原に勢力を誇っていた。元弘3年(1333)関東大兵乱によって、鎌倉幕府が滅亡し、この時に有鹿神社も総持院と共に新田義貞軍による兵火の災いを受け、美麗を極めた社殿を始め、文書、記録類に至るまでことごとく灰燼に帰し、広大な社領も略奪されてしまった。また、永享10年(1438)に永享の乱があり、関東管領の足利持氏は有鹿神社の近くにある宝樹寺に本陣を置き、幕府軍と戦い敗走した。これによって海老名氏は滅亡し、有鹿神社と総持院は再度兵火を蒙り、衰微してしまった。天正3年(1575)海老名耕地の用水を守る「水引祭」が復活し、相模国五ノ宮、海老名総鎮守として少しずつ再興してきた。天正19年(1591)には、徳川家康より朱印十石の寄進を受け、また元和8年(1622)海老名郷の領主となっていた高木主水の内室により社殿が再建された。
横須賀水道
相模三川公園
   相模三川公園は、相模川、中津川、小鮎川の3つの川の合流点上流につくられた県立公園です。河川敷には野球場などスポーツ施設が整備されているほか、子どもたちが楽しめる大型複合遊具などもあります。川沿いにはパークゴルフ場のほかに、芝生広場や野球場などがあります。初夏には、芝生広場で「せせらぎ祭り」が開催されます。おもちゃや軽食のブースが立ち並び、多くの人で賑わっています。