2019年11月30日(土)      
鑁阿寺  Bannaji 
 「鑁阿寺(ばんなじ)」
鑁阿寺は足利氏の邸宅跡に建つお寺です。平安時代の後期、足利氏の始祖である源義国がこの場所に居館を築き、その後の鎌倉時代、足利氏三代当主の足利義氏が大日如来を祀る足利氏の氏寺として文暦元年(1234)に整備しました。元は有力な武家のお屋敷という事もあって、その周囲は濠と土塁によって囲まれた、恰も城郭のような厳重な作りになっています。入口は東西南北にそれぞれ一ヶ所ずつ開いており、山門はそのうちの南門にあたります。このように、鑁阿寺は鎌倉時代からのお寺という価値のみならず、中世の武家である足利氏の邸宅跡としても価値が高く、その境内全域が「足利氏居城跡」としても注目され国の史跡に指定されています。
 「本堂」
1299年に再建され、さらに1402年から1432年の間に大規模な改修が行われています。再建した足利貞氏は、足利尊氏の父に当たります。貞氏は建立にあたり、当時の最新の建築様式であった禅宗様を取り入れているため、禅宗様仏堂の初期の例として価値が高いとされます。入母屋造、本瓦葺きの建物で、中には本尊である大日如来のほか、弘法大師、興教大師、開基である鑁阿上人の像、さらには明治初期まであった鑁阿寺塔頭寺院12寺の本尊などが安置されています
 「一切経堂」
お経を納めるための建物であり、寺伝では開基である足利義兼により建てられたとされていますが、現存するものは1407年に当時の関東管領足利満兼により再建されたものです。内部には一切経二千巻余があります。
 「多宝塔」
  足利義兼が建てたとされていますが、現在あるものは1692年に江戸幕府5代将軍徳川綱吉の母、桂昌院によって再建されたものです。中には金剛界大日如来と勢至菩薩が祀られているのですが、勢至菩薩は二十三夜尊と呼ばれ、毎月23日の夕方から夜にお堂が開けられています。この開けられているときに参拝すると「お種銭」というものがいただけます。これを持っているとお金に不自由しないと言われており、金運のパワースポットとして知られるようになりました。奥には足利家の大位牌と徳川歴代将軍の位牌がともに祀られています。高さが20メートルあり、多宝塔としては国内最大と言われます。
鑁阿寺境内の紅葉は実に美しかった !