十国峠
  十国峠とは静岡県田方郡函南町から熱海市伊豆山にまたがる伊豆、駿河、遠江、信濃、甲斐、相模、武蔵上総、下総、安房の十国、それに大島、新島、神津島、三宅島、式根島の五島が見渡せた峠からその名がつけられました。
国木田独歩
泉鏡花田山花袋斎藤茂吉など、名だたる文人墨客に愛され、その作品に登場してきた峠で、高山樗牛は「わがそでの記録」の中で「十国峠に登る遊びはことのほか爽快」と記し、太宰治は「富岳百景」で「十国峠から見た冨士だけは、高かった。あれは良かった」と称え、与謝野晶子は「山のじづく」のなかで、「十の国 かすめる春に云うべくは 駿河の海にのぞめる峠」と詠じました。鎌倉3代将軍源実朝は、箱根神社と伊豆山神社を参詣するために、この峠に通りかかった。そのとき「箱根路をわが越えくれば伊豆の海や沖の小島に波の寄る見ゆ」と風光明媚な風景を眺めて、感動的な名歌を遺しました。
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源実朝 歌碑